●宿曜について
またまたなるべく初めての方向けに、ハートランド的、宿曜のお話です♪
宿曜道、宿曜占い、宿曜占星術、密教占星術などの他にも、宿曜をベースにしていると思われる占いは、いくつかの名前で本などになったりしていますす。
宿曜は、伝えられているいくつかの説や、そのロジック、雰囲気を見る限り、原点はインド占星術にあるようです。インドから中国に伝わった時には、すでに宿曜経だったそうで、改まって完成したのが中国といわれる一方、源流はインド以上に遡るお話もあるのですが、良くわからない上に、結局事実上の宿曜とはかけ離れ出しても行きますから、今のところは、宿曜とみなせる物の始まりはインド占星術、出来たのは唐(中国)と考えて良いのでは無いかと思います。
これが日本には宿曜経(「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」)として伝わって来ました。密教占星術として奈良時代に伝わったと言うお話もありますが、名前が残っていて有名なのは平安時代、弘法大師空海が唐から持ち帰ったものが最初であると言われています。
空海は宿曜を伝えて弟子にも教え、さらに天台宗の円仁、空海の甥の円珍さんらも宿曜経を持ち帰って来ます。平安時代中期には密教僧達の間で研究されるようになり、彼らは陰陽師に対して宿曜師と言われ、宿曜は宿曜道として、先にあった陰陽道と勢力を二分するほどになりました。
陰陽道と宿曜道は共通する部分もある一方、宿曜には先にあった陰陽道には無い概念もあって、陰陽道に取り入れられていきます。祈雨法を密教と陰陽道で合同で行ったりと、陰陽道と宿曜道がお互いを尊重しながら交流したり、研究したりしていたようですが、結構けんかもあったようです。色々な思惑もあったのでしょうが、占いに関わったる者としては、やっぱりけんかは良く無いです。仲良くして欲しい物です。戦国時代になると、宿曜は武将達に戦略として使われていきます。
占いでは背景に、何らかの形で宗教がある事も多いです。で、バラモン教を背景にヒンドゥー教、仏教が現れます。そのうち、インド占星術には背景にヒンドゥー教を持つのですが、もう一方の宿曜は空海が仏典として、宿曜経を日本に伝えた事からもわかるように、密教(仏教)が背景にあります。宿曜が密教占星術と呼ばれたり、考え方に五行や陰陽などの東洋的な部分を持つのは、このあたりの関係だと思います。
余談ですが、仏教と似ていて良く比べられるジャイナ教でも、五行ではないのですが、宇宙は5つの構成要素で成り立っていると言う教理があります。またヒンドゥー教の方でも、シヴァ派の中の聖典のアーガマは28の聖典で成り立つうち4種類、または3種類に分けられる…などと言う部分があるそうですが、これなど思わず、28宿の4方位の分類や、三九の秘法を連想してしまいます。歴史のある占いと言うのは、ほとんど例外なく科学、宗教、哲学、民族、文字など、さまざまな物を背景に持ったり、影響を受けたり反映したりして、培われています。
占いとしての宿曜の特徴は、月を見る占いと言うところでしょう。
名前の通りに解釈すれば月を見て、27宿と7曜を使って見て行く占いです。
文字通り、宿と曜を使う占いなので宿曜ですね。
宿曜は月の軌道(白道)を27宿(もしくは28宿)にわけ、月の運行を基にして、月が軌道上のどこのエリア(宿)にあるのか?それによって個人の性格や吉凶、二人なら相性、日にちの吉凶など、さまざまな物を見て行きます。基本的にはいわゆる命術ですが、技法の中には方位方向の吉凶を出すやり方などもあります。
月を見る占いで、実際の運行を見る、旧暦で見る、背景に密教を持つ、などが宿曜のキーワードでしょう。
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