☆ 2-10 ☆
では本当に、時間までわかっても、
命占だけでは、まだ、
その人の全てはわからない?


A、ハートランドなら…
わかりません。

(いや、私はわかるぞ!と、主張されるのは
もちろんそれぞれの方の自由でしょうが、
少なくとも私は、そこまでは出来ません。)
と、考えます。


一つは他の部分でもお話しているように、
「結果に関しては、命以外の要素が関係してくる。」
から、さらにもう一つ言うなら
「占いで直接わかる事は、結果ではなく原因(要素や傾向)だから。」
この二つだけで、ほとんど充分すぎるくらいなんですが…

じゃあ、命に関しては、よくある占いのうたい文句みたいに
当たる以上に、詳細にズバズバとわかるのか?
時間までわかれば、世界で一人だけの、
あなたの運命が出るのか?と言うと、
実はこれが、必ずしもそうでもないと思います。

それは
「分までわかっても、やっぱりオンリーワンにはなっていないから」
なんです。


「生年月日だけじゃあ、同じ人は、そこそこいる。
でも時間までわかれば、さすがにそこまで、
分単位で完全に同じ人と言うのも、まずいない。
それならズバリと、全部推命が出来るんじゃないですか?」

と言う発想の方は多いと思います。

「少ないグループ分けじゃあ何だか大雑把、
詳細なら信頼出来るんじゃあ?」

と言う、気持ちはわかりますよね?

「同じ日に生まれた人はたくさんいる…
やっぱり時間を見ない命占は、当たらない?
信頼性が低い?私だけの運命は出ない…」


でも、実際に突き詰めて考えるとですね?
それを言うのなら、お話したように、
生年月日時では分秒単位でわかったとしても、
それを元にしてやっている、占い師さん側の作業では、
結局は
オンリーワンにはなってないんです。

四柱推命の時柱は十二個です。別に一秒単位で違う時柱になるわけではなく
一日をさらに十二分の一の、グループ分けにするために、時間を見るわけです。

西洋占星術などはもうちょっと細かい、分単位で微妙にずれていきますが、
こちらは逆にちょっとずつ、変わっていくものですから、
「星の位置が一度ずれたから、180度、意味や力関係が逆転してしまう。」
なんて事はまず起こりません。
(イメージとしては東洋の命占はデジタル、西洋の命占はアナログです。)
ハウスがちょっとずれるとか、オーブが外れるかどうか、あたりがせいぜいで
トリンが一分後にカチッと、スクエアになっちゃうわけじゃありません。
また、完全にまったく同じホロの人…というのもいらっしゃるはずでしょう。

性格のようなある程度の共通項、グループわけが可能な側面ではなく、
もっと完全に一人だけ、私だけの運命のような物
(が、仮にあったとして)を見ようとしたら
少なくとも純粋な理論としての、占いで考える限り
どれほどの命術を駆使しても、
命だけでは完全なオンリーワンにはならないでしょう。

2000年1月1日1時1分1秒に生まれた人と
2000年1月1日1時1分2秒に生まれた人の
運命の違いのような物を、厳密に区別して推命するような占術方法は
少なくとも私は知りません。

時間まで調べて占うというと、ずいぶん詳細に聞こえますが
突き詰めて言ってしまえば、一分単位、一秒単位で
変わる運命を見ているわけでもなければ、それによって
オンリーワンのチャートが出てくるわけでもないんです。

そう考えると、詳細にはなりますが、結局はさらに
詳細なグループわけをしているだけであって、
別に点がはじき出されるわけでは、無い事になります。

そしてどれほど詳細であっても、グループ分けである限りは
最大公約数になります。

また、悪く取れば
「理論は果てしなく、詳細に展開させられても、
それを現実に正しいと判断出来るかどうか?
裏づけの補強材料の事実確認や、
統計のような物がどれだけ取れるのか?」

と言うと、逆にそれだけサンプル数は少なくなるわけですから、
オンリーワンに近づくほど、理論展開は出来ても、
現実的な確かめ作業のようなもの、
検証作業は難しくなっていきます。


生年月日時がわかっている、有名な方を選んで占断例…
と言う感じでしょう。


牡羊座の人のデータ…というのなら、
それなりに数を集めて検証も出来るでしょうが、
2000年1月1日1時1分1秒に生まれた人、百人のデータをとって
検証すると言う事はまず無理でしょうし、
統計的な有意性の補強を取れる…と言う事は、
逆に統計をとったわけですから、オンリーワンではありません。

皮肉なようですが、統計のような帰納法的側面からは、
逆に統計が取れないと検証が出来ないわけです。

「名古屋の人は気が短い」と言うのは平均値を取って、
他と比較したからこそ、全体ではこう考える事が出来る…のであって、
「じゃあ名古屋の人ってだけで気が短い事がわかるのなら、
名古屋市○区○町○番地の1ってわかったら、
もっともっと詳しくわかりますよね?」とか
「それなら名古屋市○区○町○番地の1の人と、
名古屋市○区○町○番地の2の人ではどう違うのですか?」
といわれても、統計的な見地から考えるなら、
サンプル数が少なくなると、逆にわからなくなってくるわけです。

そして時間まで調べてみても、やはりオンリーワンではない以上、
占い師さんもまた最大公約数のお話にはなるでしょうし、
その「命の最大公約数」をさらに絞って埋めるためには、
対面や電話でお話したり、タロットを切ったり、お部屋の方位や移転を伺ったり、
時には配偶者やご両親の、命式を見せていただいたり、
事情や様子を見せていただいて…の、
命以外の情報が必要になるでしょう。

私自身の経験や統計でも、極めてよく似た命式で
似た流れ…と言うのは良く見ますが、
それが全てでは無いと思います。

ほぼ同じ命式の方で、結果的に違う人生の方…は
いくらもいらっしゃいます。
他でも言っているように、
事故や病気でも、性格も人生も大きく変わります。
そしてそういう物は、直接は命の範疇では無いと思います。

一般的には、占い師さんのクライアントさんって、
ほとんど健常者の方ばかりでしょうから、
もしかするとこう言う部分は、あんまりピンと来ないかもしれないですが、
私自身はたくさんの知的、身体的障害のある方などを見てきて
とてもそれを感じました。


総務省統計局の平成15年10月のデータでなら、
日本の0歳児の男女数は約113万1千人
一日の平均なら約3100人ですから、例えば四柱推命なら
時柱と男命、女命で分けても、ここまでで
同じ命式の方が、約130人いる事になります。
ホロスコープにしても、一分違う…と言う程度なら、
せいぜいホロの切り方によって、ハウスの位置がずれる程度で、
基本的な星と星座の位置は大差ないでしょう。

「私は生年月日時だけで、現在の性格も、家族も、宿命も、職業も、
経済状態も、事故も、病気も、当てる以上に全部詳細に見れます。」

と、主張される占い師さんや、
占いに詳しい方はいらっしゃるかもしれませんが、
少なくとも私は、一分二分の時間差で鑑定結果が大きく変わるとか、
推命の判断をしわける占い師さん、などという方は存じませんし、
生年月日時をお話したら、驚くほどズバリ詳細に推命された、占い師さん
と言うのは聞いても、
生年月日時のみで、必ず毎回詳細で、
かついわゆるハズレ無しに正確に、推命出来る占い師さん
…と言う方はちょっと存じません。

常識的に考えても、
「生面月日時のみで、詳細に推命する事も出来る」
(的中深度重視)
「生年月日時のみで、毎回最大公約数をコンスタントに、推命出来る」
(的中平均点重視)
「生年月日時+命以外の情報とあわせて、毎回コンスタントに、詳細に推命出来る」
(他の要素で両立)であって、
「生年月日時のみで、毎回コンスタントに詳細に推命出来る」
では無いでしょう。

オンリーワンで無い以上は、
詳細さと、コンスタントとさ、
完全に両立はまず厳しいと思います。


ただ、こう言う事を差し引けば
逆に言えば、推命にお強い占い師さんなら、
相当な事がわかるとは思います。

大統領と同じホロスコープの方は、他にもいるでしょう。
それならホロスコープだけ見ていても、
大統領である事も、今選挙中であることも
直接はわからないはず…と言う事になります。
でも「こう言う傾向と要素を持っていて、こんな風に読める人」
がわかった上で、さらにそれ以外の現状や状況、ヒントがわかれば
類推して掘り下げたり、どんどん具体化していったりはできます。


そうでなくとも、同じ生年月日時の方でも、
それなりに悩んで、それなりのご縁と地域で、
今ここで出会う事が出来た、事情と状態の方…
これだけでも、だいぶ絞られるでしょうから。

あくまで命術のみで、予言的にオンリーワンで、
何でも見れると言うわけでは無いという事だと思います。






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