夜明け前             
目が覚めたときには夜明け前でした。湖の畔で反対側には山々があります。
かすかに遠くから、小鳥の声は聞こえるような気がします。
しかし、しばらく待ってみても、まだ真っ暗であたりは見えません。

すぐにも旅立ちたい、はやる心を今は抑えて、
夜明けと共に出発できるように、今は暗い中でその準備を進めます。
準備期間の暗示です。
夜明けになればあたりも見えます。行動も起こせます。
視界が開けて、自分も状況も明らかになれば、
どっちにどう進めば良いのかが、おのずとわかるでしょう。
夜明け前は、時期を待つ、時が来るまでは自分では中々どうする事も出来ず、
それまでは試練や困難、忍耐が必要とされる…と言う暗示ですが、
プラスに受け取れば、今すぐに大成しなくても良いのです。

今結果が出なくても、無駄になっているわけでも、
間違っているわけでもないのですから、
今出来る事をマイペースで準備、進め、継続していて大丈夫ですよ…
と言う、象意です。
努力は必ずしもそれに比例して結果が出るわけでも、報われるわけでもありません。
暗い中で準備を進めるのも、明るくなって歩き出すのも、
同じ目的地に着くための行動ですが、準備をしている時は、
目的地に近づいているわけではありません。距離的には…。
でもまだ暗い時に、明るい時と同じ「歩く」と言う手段を取ってしまうと、
目的地に早くつけるどころか、道に迷ったり、反対に行ってしまったり、
悪くすれば躓いて、怪我をしてしまうかも知れません。
成果が目に見えないと、ついつい心配になってしまいますが、
人間は
24時間歩き続けられる機械ではないのですから、
必ずしも常に結果が出続けていなくても、実は大丈夫な物です。

何か手がけられている事があって、一見進んでいない、
今必ずしも結果が思い通りになっていない、困難に直面しているように見えても、
最初の目標設定が正しければ、焦らなくとも大丈夫…
夜明け前はそんなイメージです。